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ホーム > ようこそ知事室へ > 記者会見 > 2020年10月12日(月)

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知事記者会見

2020年10月12日(月)


9月定例会後の知事囲み取材(抜粋:日本学術会議について)

(記者)

議会とはちょっと離れるんですけれども、先般の会見での菅総理の学術会議をめぐる総理を評した発言を巡って、県に多数の意見が寄せられているとのことですけれども、受け止めですとか、発言を訂正されるお考えというのはいかがでしょうか。

 

(知事)

訂正の必要はないと思います。学歴に対して私が偏見を持っていると思った人がいるようです。私はアンチ学歴主義です。アンチ学歴偏重主義、それが私の一貫した立場です。学歴が高いことを鼻にかけている人がまま見受けられますが、一番嫌いなタイプです。

 

その道一筋で立派に人生を送っている人がたくさんいます。例えば私は宝塚の放送審議委員会の委員をやっていますが、宝塚音楽学校に入るには中学校を卒業していなくてはなりません。中卒で合格すれば、高卒でないことになります。しかし、宝塚歌劇は現代日本の立派な文化として100年以上の伝統があり、宝塚出身で社会的に活躍している人も多い。サッカー、水泳、卓球などのスポーツ、将棋、落語など芸能、農森水産業、ものづくりなどを、私は広く技芸を磨く「実学」と言っていますが、どの道も精進が大事で、学問はそのうちの1つです。学歴ではなくて、学問が大切だと申し上げたのです。

 

日本は聖徳太子以来、学問を大切にしてきた国柄です。徳川家康も、新しい学問として朱子学を奨励された。江戸時代が終わった後は、「学問のすすめ」を説いた福沢諭吉の肖像を世界に通用する通貨に印刷している。日本は学問立国の国柄です。

 

今回、学術会議における6名の学者の任命拒否で、菅総理が学問を本当に大切にしている人かどうかについて私は疑問を持ちます。6名を拒否するのは学問的理由でなくてはなりません。政治的理由とか、イデオロギー的理由だとすれば、言語道断です。私は学問の独立に非常に敏感です。学歴ではなく、学問を問題にしています。

 

多くの学者が菅総理に疑問を呈しています。学問が大切なのであって、学歴ではありません。

 

菅総理は、6人を任命しなかった理由を明確にする必要があります。学問的理由でないなら、その理由を明確にする必要があります。首相の姿勢に諫言を呈したわけです。

(記者)

ありがとうございます。

 

(記者)

日本学術会議という組織自体、知事はどういう風な組織だとお考えでしょうか。

 

(知事)

学術会議自体のメンバーにはなったことがありませんが、学術会議の連絡委員を社会経済史学会という学会から選ばれて、やったことがあります。学術会議はすべての学問を網羅しています。学術会議の今の会長は梶田先生、ノーベル賞に輝いた物理学者で、その前の山極先生は日本が世界に誇る霊長類学が専門です。霊長類学はいわゆる輸入学問ではなく、日本産の学問です。その霊長類学の現代における最高の学者が山極さんです。その前の会長の大西さんは都市計画について国づくりに大変貢献されてきた学者です。そのように異なる学問の人たちが代表を務めていることから分かるように、学際的です。いろんな学問の人たちが寄って、日本の学問の発展のために貢献されていると私は理解しております。

 

(記者)

そこに入れないと、学問の自由が制約されると。

 

(知事)

学問の自由は、学術会議に限ったことではありません。大学に政治介入がまま見られたりしますけれども、そういうことがあってはならない。

 

どなたも小・中学校を出ていますが、教科書は日本語で書かれている。当たり前みたいですけれども、発展途上国にいくと、旧宗主国のアメリカ、イギリス、フランスなどの教科書を使ったりしています。日本では、世界の学問を踏まえながら、日本人が日本語で書いて国民を教育している。それが学者の仕事です。世界の学問の中で共通理解になっているものが小・中・高校の教科書になる。日本人の民度が高いのは学問のおかげです。

学問している人は、学術会議のみならず、いろんな学会や民間企業の研究書を含めて、たくさんいます。学会はそれぞれの専門家の集まりですけれども、学術会議は日本の中でおそらく唯一ではないかと思いますけれども、学際的、総合的な組織です。ですから大事にしなくてはいけない。




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